宮城・松島旅行【3】瑞巌寺・松島周辺で散策
「宮城・松島旅行【2】松島一の坊”料理長厨房ビュッフェ青海波”で夕食」の続き。
2日目。
日の出は4時15分、眩しくて目が覚める。
軽く二度寝したあとは、朝の露天風呂へ。
おばさんたちは朝から元気である。
下半身を露出しながら洗面台を独占し、ずっと口が動いている。
おばさんグループの中には呆れている者もいるらしく、「あと1時間談話してんの?」と冗談交じりになじっていたが、おばさんたちは口を動かすことを止めない。
「あははは!夫もそろそろ捨て頃だからね!」
「そうそう、捨て時!やかんと同じ」
「でもやかんも直せば新品同様になるらしいよ~」
「え~っホント!?病院連れてこうかしら?」
「また直して使えるよ、ぎゃははは!」
風呂にいた人たちがすごい話をしてたよ、とダンナに報告しながら朝食会場へ向かう。やっぱりわたしは、ああいうおばさんにならないだろうなあ。
朝食は夕食と同じくビュッフェ青海波。
旅先の朝食は不思議とお腹が空くのだが、今回は全くお腹が空かない。
宮城の食材は腹持ちが良いのだろうか。
しかし年齢層が高いため、スマホをいじっている人がいないのが良い。
写真を撮っている輩もいるが、インスタントカメラを使用しているところが逆に新しい。
仙台から宿までは無料シャトルバスがお得ということで、行きはシャトルバスを利用したわたしたちでしたが、向かう途中で見えた松島海岸駅前が賑やかそうだったので急遽予定を変更し、帰りは歩いて駅まで向かうことに。
早めのチェックアウトを済まし、松島海岸方面へ歩いていく。
最近読んだエッセイ漫画の夫婦にはルールが20個あった。
その中で我が家にも必要だと思ったのが、”些細なことでも口に出して声がけする”ということ。
比較的よく話し合いをするわたしたち夫婦だけど、無計画な旅行には少なからずお互いの”密かな考え”があったりするもの。
わたしは奥田英朗のエッセイでこの遊覧船のこと、そしてカモメに餌をやることがいかに人を夢中にさせるかを知っていた。だからちょっとだけ楽しみにしていたのだ。けれど、ダンナは少しも興味がなかったらしい。
「ほら、みんな乗ろうとしてるよ。松島といえば、じゃないの?」
と誘導してみたが、全く乗り気にならない。
「えぇ~、だってどこから乗るの?いつ出るの?いくらするの?」
ダンナは得体の知れないものに関して絶対興味を示さない。不安なのだと思う。
それはわかるけど、乗りたくないなら「乗りたくない」とはっきりいって欲しいのだよ、わたしは!これは我が家のルールの一つにしよう・・・。
結局意見は却下されたため、駅周辺をうろつくことに。
遊覧船に後ろ髪引かれつつ、ひとまず酒屋があったので入ってみる。
店員のお姉さんが試飲をさせてくれたので、3種を飲ませてもらう。
梅の酒は予想通り美味しかったものの、山廃は男臭くて力強い味でとても飲みやすいとは言えなかったけれど、外からの涼しい風を感じながら午前中酒店で飲むというシチュエーションがめちゃくちゃ良かった。
いつも好んで飲むタイプは要冷蔵だったため、別のスタッフオススメの一本「黄金澤HITOMEBORE」を購入。
再び駅周辺を散策。
カモメはソフトクリームが大好きらしい。
この辺りは建物も道も新しくなっていてとても綺麗。
わたしはお洒落なお店「松島雪竹屋」で自分用の手ぬぐいを購入。
南部鉄器が揃っているお店を発見。
もともと宮城へ行きたいと思ったのは、焼き物体験をしたいと思ったからだったことを思い出す。
これもダンナに却下されたんだったな、そういえば。
なんだかだんだんイライラしてきたぞ。
「瑞巌寺」
これも・・・なんだかわからないがダンナがやたらと渋っていたのを思い出す。
ので、今ソファーで横になりながらテレビを見ているダンナに聞いてみた。
「瑞巌寺ってダンナが行きたかったところだっけ?」
「んー、別に」
「結局どこに行きたかったの?」
「俺は五大堂とその辺プラプラしてれば時間経つかなーと思ってたの」
・・・あっそ!!
思い出しましたよ。せっかく来たのにどこにもお金を落とそうとしないダンナ。
これはねえ、復興支援なのだよ。どこも行かなくてどーする!?
だいたいそんなんじゃ経済も回らないし、旅の楽しみもあったもんじゃない!
てな感じで、ここには半ば強引に入ったのでした。
入場料700円を取るだけあって、中はかなり綺麗に整備されていて、ちょっと伊勢神宮を思い出す。
なんだかわからないけど、厳かな感じ。
結果、瑞巌寺はとても良かった。
今まで歴史的建造物に入っても特に何も感じなかったのに、瑞巌寺はちょっと違いました。
なんていうか・・・物件探ししていたら良い家を見つけたみたいな。
そんな、安心感(?)。
うまく説明できないなりに、建物の作りや開放感、妙に落ち着く感じを興奮気味にダンナに訴えたら、
「そーゆーもんじゃない?遺伝子が覚えてるんだよ」
と得意げに言われました。
遺伝子が覚えてる!?昨日のことは忘れてるのに!?
いや、わたしは信じないぞ。そういうんじゃないんだ、絶対。
この繊細で複雑な気持ちをわかってもらえないまま、おみくじを引く。
末吉。
ダンナの引いた大吉に書いてあることより良いことが書かれていたは良しとして、元旦に引いたおみくじの「使わねば金の価値なし」より強烈なことは書いておらず味気ない。
さらっと読んでサクッと結ぶ。
歩いていたら凄い松に遭遇。
ずんだ餅ってまともに食べたことがなかったのだけど、めっちゃ美味しい!
餅好きのわたしにはたまらん。
いよいよ時間が迫っていたので、お昼ご飯は「漁師の海鮮丼」へ。
前日の夕食に食べた刺身が美味しかったので、期待度はMAX。
店内の別のところにも張り紙があったので、大変だったことがわかる。
土産屋の通りの店はほとんど新しくなっていたけれど、それらの店も当時は大変だったんだろうなあ。
というか今現在は西日本豪雨が大変なことになっていますが・・・水害は本当に恐ろしい。
ダンナが注文したカキフライ定食。めっちゃボリュームあり。
わたしの注文した海鮮丼。
期待通り海鮮がンマイ!かといって千葉で食べた新鮮すぎる魚ほどコリコリしているわけでもなく、脂がのった柔らかい身が舌でとろけるよう。
それにワカメと三つ葉がふんだんに使われた味噌汁が美味しい。
海鮮や、ああ海鮮や、海鮮や~。
電車の時間ギリギリまで堪能してから、急いで駅へ向かう。
結局松島らしい写真が全く取れなかったので、ここで写真を撮っておく。
「あと2分!」
電車に乗り遅れたら30分待ちなので急いで切符を買っていると、横にいた中国人にカタコトで話しかけられる。どうやら切符の買い方がわからないっぽい。
「ここだよ、ここ!」
と仙台行きのボタンを指差してさっさと改札を通る。
チミらの相手してたら乗り遅れるアルヨー(汗)。
ギリ間に合う。
ふと顔を上げると、松島がちょっと松島らしく見える・・・!
電車が来る前にパシャリ。
シャトルバスに乗ってたらお金は浮いたかもしれないけれど、この景色は見れなかったな。満足満足。
なんて思ってたけど、この記事をご覧になって松島へ行こうと思っているあなた、新幹線の切符でJRに乗れるのをご存知でしたか?わたしたちはすっかり忘れて切符を買ってしまいました。それともう一つ付け加えると、電車に乗ったからといって素晴らしい景色が待っているわけではなく、途中からトンネル内だとダンナが申しておりました。わたしは30分程爆睡していたので何も知らないんですが(汗)。
宮城・松島旅行【おまけ】に続く。