susieの旅ブログ

埼玉在住都内に勤める40代主婦の旅と本の記録。

晴読雨読、最近読んだ本。

こんにちは。音楽を聴くと必ず指が動いてしまうsusieでございます。友人の前では我慢しますが、ダンナの前だとカルディのBGMでも踊り出します。そんななので最近ダンナから「落ち着きがない」と言われたのですが、気づいてしまいました。だからか。何もしないでいると無性に食べたくなる(口を動かしたくなる)のは・・!気づいたところで解決策は思い浮かばないんですけど。

 

さて。最近読んだ本をご紹介。

 

 

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内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える  スーザン・ケイン

 

ビル・ゲイツガンジーもウォズニアックもみんな内向型人間だった! 内向型の人とは、喋るよりも他人の話を聞き、パーティで騒ぐよりも一人で読書をし、自分を誇示するよりも研究にいそしむことを好む人のこと。社交的で自己主張が激しい外向型のイメージがあるアメリカ人だが、実際にはその三分の一が内気でシャイな内向型。本書は、内向型が直面する数々の問題を浮き彫りにするとともに、内向型の強みと魅力を明らかにする。

 

これを買って読み始めたのは沖縄へ行く前で、自分で自分のことをどう思っていたのかちょっと忘れてしまったのだけど、多分内向型だと思って買ったのだと思う。グループよりも一対一が好き、文章の方が自分を表現しやすい、ひとりが好き、名声や地位に興味ない・・チェックリストの13項目のうち10項目は確実に当てはまる。だから途中まではこの本に励まされながら自分はこれで良いのだと言い聞かせていた。が。最後の方で夫婦喧嘩の例が出てくるのだが、これが明らかにわたしの外向型を表していた。ついでに言うと薄っぺらい外向型だと思っていたダンナはもしかしたら典型的な内向型だったかもしれないらしい。わたしたちの喧嘩は、決まって必ずわたしがダンナを時速200キロマイルの貨物列車みたいな勢いで責め立てる。いや、責め立てているわけではない、お互いの生活をより良くするために全エネルギーを注いでいるだけなのですが。だから「おめえも本音でぶつかってこいよ」的な感じになると、ダンナはどうにか穏便に話を終わらせようとする。本音なぞ言おうもんなら世界が破滅するかのように我慢に我慢を重ね、結局最終的にはキレて泣き喚くのがオチなのですが、これは内向型の「敬意を表したい」気持ちの典型例なのだとこの本でよくわかった。でも内向型が思慮深いのだとしたら、本音でぶつかった方が勘違いも起こらず最終的には良いということがわかるもんじゃないのかなと思ったのはわたしだけ?そこはちょっと納得がいかなかったけど、世の中のパーリーピーポーにうんざりしている内向型が読んだらホッとする一冊になること間違いなし。

 

 

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バカの壁  養老孟司

2003年を代表する大ベストセラーであり、タイトルがこの年の流行語にもなった本書は、著者の独白を文章にまとめるという実験的な試みであった。「人間というものは、結局自分の脳に入ることしか理解できない」、これが著者の言うところの「バカの壁」であり、この概念を軸に戦争や犯罪、宗教、科学、教育、経済など世界を見渡し、縦横無尽に斬ったのが本書である。

だいぶ前に読み始めた一冊で、途中だった気がしたから最近また読み始めてなぜ途中で止めたんだかを思い出しました。たまにこういう新書に出合います、誰か(何か)の愚痴を言いたいだけと自慢を間接的に入れたいだけの本に。昔話題になっていたのと他に買いたい本が見当たらなかったから選んでみたけど、読んでいて疲れました。意外と脳が単純にできているという知識だけは役立ちそうですが、おじさんのうんちくは最後まで聞いてられないよ。スコを飼っているというから親近感はあったんだけど・・・。

 

 

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おらおらでひとりいぐも  若竹千佐子

〈あいやぁ、おらの頭このごろ、なんぼがおがしくなってきたんでねべが〉

昨年度の文藝賞を受賞した若竹千佐子の『おらおらでひとりいぐも』は、主人公桃子さん74歳の、内面から勝手に湧きあがってくる東北弁の声ではじまる。

24歳の秋、桃子さんは東京五輪のファンファーレに背中を押されるように故郷を離れ、身ひとつで上京。それから住みこみで働き、美男と出会って結婚し、彼の理想の女となるべく努め、都市近郊の住宅地で2児を産んで育て、15年前に夫に先立たれた。ひとり残された桃子さん、息子と娘とは疎遠だが、地球46億年の歴史に関するノートを作っては読み、万事に問いを立てて意味を探求するうちに、自身の内側に性別も年齢も不詳の大勢の声を聞くようになった。それらの声は桃子さんに賛否の主張をするだけでなく、時にジャズセッションよろしく議論までする始末。どれどれと桃子さんが内面を眺めてみれば、最古層から聞こえてくるのは捨てた故郷の方言だった。

桃子さんの人生は戦後の日本女性の典型かもしれないが、他人が思うほど悪いものではない。最愛の夫を喪ったときに根底から生き方を変え、世間の規範など気にせず、〈おらはおらに従う〉ようになったのだ。話し相手は生者とは限らない。そんな〈幸せな狂気〉を抱えて桃子さんは孤独と生き、未知の世界へひとりで行こうとしている。

日々を重ねなければ得られない感情には、〈悲しみがこさえる喜び〉もあるのだ。63歳の新人作家は三人称と一人称が渾然一体となった語りを駆使し、その実際を鮮やかに描いてみせた。お見事!

 

芥川賞受賞した当時から気になっていて、沖縄から帰ってきて「ひとりになりたい」と思ってしまった今読むべき本と思って読んでみた一冊。テレビで紹介されていたあらすじが興味をそそる感じで期待して読んだけど、読んだ感じはちょっと違った。なんかこうもうちょっと「ひとりでいたい」感じが欲しかったけど、東北弁だから分かりづらかったのか「ひとりでいたい」感じが薄く、歳を取っても夫に「会いたい」と思う感情が若いわたしにはまだ分からず、というかちょっと知りたくなかったような、なんか変な感じだった。それがリアルの母親像なのかもしれないけれど。最後らへんグッとくるところが確かにあって、もう一度振り返ってみようと思ったけど、何せ東北弁、かなり頭を使いました。そして読み終わったらちょっと方言移りそうな感じ(笑)。東北の人が読んだらまた違ったのかな。

 

 

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「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました  田房永子

幼少期から母親の過干渉に苦しみ、10代から痴漢被害に遭い、20代でセクハラを受け、30代で娘を出産した著者。「娘はかわいくないけど息子はかわいい」と知人が発言した時も、「母親に、兄弟と差別されてつらかった」と取材先で聞いた時も、母親たちの"悪行"に憤り、男たちを憎んではいるが、その二つは別々のことで、どこか他人事だった。
しかし、著者が妊娠した第二子が「男」と判明。
男を憎んだまま、男の子を育ててはいけない!

日本の男尊女卑社会に、母として、妻として、人間として怒り、自らの「男性観」を矯正すべく奮闘した1年間の記録。

この本のタイトルがちょっとアレなんでアレなんですが、全然関係ないんです。それを求めて読んだわけではなく、また著者も全然週3回になっていません(汗)。だけどこの本がとても面白かった。「キレる私をやめたい」や「呪詛抜きダイエット」など毒親話を交えて解決する田房永子の本が好きで、最新刊は漫画ではなかったけれどそれらをまとめた話になっていたと思う。男の子がいる母親ってこんな感じ、女の子のいる母親ってこんな感じの説明がこの本ですごくよくわかったし、世の中の男性女性も元は子供だったことを考えると色々見えてくるんだなと子供のいないわたしはとても勉強になった。それに絶縁していた両親とだんだん会うようになった経緯が読めたのも面白かったし、何より田房永子が何か起こるたびに本を読んだり考えたりして解決しようとする姿勢が本当に読んでいて気持ちが良かった。最近読んだ本の中でダントツで良かった。